ウラガワなんていらないさ

気分です。ポエマティックです。テクマクマヤコン。

春と祖母

 祖母に会いにいった。

会ったら「元気?体調どう?」なんて聞こうと思っていた。

そしたら祖母はわたしが言うより先に、わたしを見るなり「仕事は?大変でない?」と聞いてきた。

「大丈夫だよ、余裕」と返したのに、祖母は構わず続けた。

「そろそろ大変かなぁって思ってね」ととても優しい顔して言った。

なんだかそのときいろんなものが溢れて、思わず「しんどい」と大泣きしてしまった。

具体的に、なにがどうした、とは祖母には言っていない。

わたしもそんなに仕事が辛いだなんて思ってなかった。

小さいことだ、そういう、仕事、じゃなくても、社会に出て、1人の大人として、生活していくことは簡単なことではないと、わたしは感じてしまう。

働くことは楽しいけれど、どこかで、もっとゆっくり穏やかに過ごしたいと思ってしまう。

でも、それは、きっとみんなが思っていること、と言い聞かせ、できるだけ、生きづらさに蓋をして生きていく。

 

そんなことに、ちょっと疲れたのだと思う。

桜も散ってしまったし。

「そんなに頑張んなくてもいいさ〜」と泣きじゃくるわたしに小さく声をかけてくれた。

「わたしそんなに頑張ってない」とは言わなかった。

 

わたしは、祖母がすごくすごく仕事を頑張っていたのを知っている。

いつだったか、お寿司を食べた帰り道、祖母と手を繋いだとき、厚くて、あったかくて、漠然とこういう人になりたいな、と思ったことも覚えている。

素敵な祖母、なんだか尊敬する祖母は、涙するわたしに驚くでもなく、優しい顔で落ち着くまで、わたしを見ていた。

心配されたことが嬉しかったのと、ほっとしたのと、甘え、という気持ち。

まだまだわたしできないことがいっぱいあるんだよ、と思った。

 

少し呆けてきている祖母。わたしが元気な男の子を産むまで死ねないと言った。

ずっと元気でいてほしい。

ちょっと疲れたわたしを見抜いて、優しい言葉をかけてほしい。

祖母くらい仕事を頑張れるだろうか。祖母くらい素敵な女性になれるだろうか。

 

明日もわたしは働く。