"コーイチ"になりたい
コーイチくんが超特急をやめた
コーイチくんは超特急を未来だと言った人、居場所だと言った人
みなが口を揃えて「どうしようもなかった」と言い、
方向性の違いでやめるというのに「コーイチの想いものせて」と言う
なぜやめるのか、具体的なことはなにも言わずに
ただあやまり、コーイチくんがやめるというそれだけが浮かぶ
どうしようもなかった、この言葉が重く、しかしコーイチの想いものせて、とも言うからなにかへの希望を持っていたりする
そんなコーイチくんはなにも発さず、なにもなにも
わたしがコーイチくんになってやりたい
馬鹿みたいだけど思う
もしなにかで話せないのならわたしが代わってやりたい
突然のことで他の6人が動揺しているくらいなら
本当のことが宙ぶらりんになって、さまざまな憶測が飛び、コーイチくんの大切ななにかが傷ついているなら
変わってやりたい
言えないならわたしが適当な言葉を並べて言ってやる
もうだめでへろへろでも、言ってやる
どこかで笑っててもいい、言ってやる
でも、そのままそっくりわたしがコーイチくんになったとして
たとえば韓国で足を折り、身長を伸ばす手術をしたあと
日本に帰ってきて綺麗な全身整形を受け、わたしがコーイチくんになったとしても
コーイチくんにはなれないんだよ
誰かになにかをあんな風に全てが事実だ、と鳥肌が立つような表現はできない
たまに遠くを見ているような目もできなければ「お前しかおらん」と仲間に声をかけることもできない
どれだけコーイチくんになりたくてもなれない
今の生活ぜんぶどこかに置いてきても、なれるもんならコーイチくんになりたい、なってやりたい、と思うんだよ
がんばる自分のために彼らを見ていると、思っていたのに、こう思ってしまうのは、いつの間にか生きがいだったのかもしれない
このまま絶望だけを語り、過去ばかりを語るなら
わたしがコーイチくんになって言ってやりたい
でもできない
7人の中のみんながそれぞれ輝いていて、夢は叶うのかもななんて
悲しい寂しい悔しい悔しい
コーイチくんになれないわたしは
まだ「頑張れ、またね」だなんて言えない
言ってやらない
大好きだよ